「やりたいこと」が見つからない。これは多くの人が仕事探しで直面する壁である。漠然と求人情報を眺めても、ピンとくるものがなく、結局何を選べば良いのか迷ってしまう。そんな悩みを抱えているなら、少し立ち止まって、自分の内側にある譲れない価値観、つまり「ワークバリュー」を明確にすることから始めるべきである。やりたいことは、時代の変化や周りの環境によって変わる可能性もあるが、ワークバリューは、あなたの人生を通して変わらない、仕事選びの羅針盤となるものだ。これを明確にすることで、軸が定まり、迷いのない選択ができるようになるはずである。例えば、あなたが「人の役に立ちたい」という価値観を強く持っているなら、給与や待遇だけでなく、その仕事がどれだけ社会貢献できるのか、誰かの役に立てるのかを重視して仕事を探すことができるだろう。ワークバリューを明確にすることは、仕事探しにおける自己分析の第一歩であり、自分にとって本当に大切なものを見つけるための鍵となるのである。
では、具体的にどうすればワークバリューを明確にできるのだろうか。まずは、過去の経験を振り返り、どんな時に喜びや達成感を感じたかを思い出してみると良い。例えば、学生時代のボランティア活動で感謝された経験や、アルバイトでチームと協力して目標を達成した経験など、些細なことでも構わない。次に、それらの経験から共通するキーワードを抜き出してみよう。「人の役に立つ」「チームワーク」「達成感」「創造性」「成長」など、様々なキーワードが出てくるはずだ。そして、それらのキーワードを自分の中で優先順位をつけて並べてみる。これが、あなたの「ワークバリュー」である。さらに深掘りするなら、「もし、お金や時間、場所などの制約が一切なかったら、どんな仕事をしたいか」と自問自答してみるのも効果的だ。この問いに対する答えは、あなたが本当に大切にしている価値観を浮き彫りにしてくれるだろう。ワークバリューを明確にすることで、求人情報を吟味する際の判断基準が明確になり、これまで見過ごしていた魅力的な仕事に出会える可能性も広がる。